1.国際連合(UN)

 国際連合はかねてから、世界における貧困撲滅をその目的として掲げており、人間開発指標(UN Human Development Index : HDI)を代表とする、さまざまな指標を開発してきました。最も早くから開発された人間開発指標は、国際連合開発計画(United Nations Development Program: UNDP)によって開発された指標で、1人あたりGDP、 平均寿命、就学率などの国レベルのマクロ指標を組み合わせて作成されています1990年に最初に刊行された人間開発報告書(Human Development Report)にて紹介されて以来、毎年、同報告書によって公表されています。

 

【人間開発指標(Human Development Index: HDI】

 人間開発指標(Human Development Index: HDI)は、以下の3つの平均から計算される。

 ・平均余命指数=(LE-25)/(85-25)

 ・教育指数=2/3×ALI1/3×GEI

 ・GDP指数=log(GDPpc)log(100)/log(40000)log(100)

  LE:出生時平均余命

  ALI(成人識字率)=ALR-0/100-0   ALR: 成人識字率(15歳以上)

  GEI(総就学指数)CGER-0/100-0     CGER:複合初等・中等・高等教育総就学率

  GDPpc: 購買力平価で計算した1人あたりGDPUS$

 

その他の指標:ジェンダー開発指数 (Gender-related Development Index: GDI)

                     ジェンダー・エンパワーメント指数 (Gender Empowerment Measure: GEM)

                     人間貧困指数 (Human Poverty Index:HPI)  HPI-1 (途上国向け)には、康や識字率などの概念を含み、

       HPI-2 (先進国向け)には、社会的文化

       的な疎外の概念を含む。両者は、剥奪 (deprivation) アプローチで作成されている (UNDP東京事務所2003)。

 

 これらの指標は、発展途上国を念頭において開発されたため、先進諸国における相対的貧困の測定には不向きでした。そこで、先進諸国をも含めたより広い国々の発展度合いの国際比較をするため、国連統計局は、国際的に比較可能なデータの作成を目的とした有識者会合を開催しています。

 ・「カンベラ・グループ (Canberra Group)」:1996年から2000年にかけて開催(日本も参加)。主に世帯所得統計について、

   世帯の所得データを用いた所得格差や貧困率の定義や測定方法について提言を行う(The Canberra Group 2001)。

 ・「コペンハーゲン宣言」:「Social Integration」(社会統合)が一つの重要な社会開発の目標として明記され、社会的統合を達成するためには、

   貧困撲滅と雇用創出が不可欠であると訴えた。

 ・「国連ミレニアム宣言」:「ミレニアム開発目標 (Millennium Development Goal:MDGs) が策定されました。普遍的な初等教育の達成、

   女性の地位向上、乳児死亡率の引き下げなどの項目が含まれています。貧困に関しては、絶対的貧困(国連の定義は、1日1ドル未満で生活する

   人々)を 2015年までに半減させるなどの世界の社会開発の数値目標、また、1990年から2015年までに、飢餓に苦しむ人々の割合を半減さ

   せることも目標とされた。 

 

 

 

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